じゃれあう親子

歩けるようになって、行動範囲も広がる1歳児。親としては「しつけ」の心配が始まるかもしれません。しかし、自分の意志で行動を始めたばかりの1歳児には、一般的にいわれる「しつけ」を始める前に準備が必要です。

そこで今回は1歳児の発達の特徴に合わせた「しつけ」について、食事などの具体例を挙げてご紹介するとともに、注意すべきポイントも解説します。

1歳児のしつけ

私たちは「しつけ」がよい、わるい、と表現するとき礼儀や作法のことを想定するかもしれません。

確かに「しつけ」にはそのような意味もあるのですが、広義には社会生活へ適応するにあたって必要かつ望ましい生活習慣を形成すること全般が「しつけ」とされています。

これを1歳児にあてはめると習慣をはじめるために心身の発達を促す時期にありますから、一般的な「しつけ」にはまだ早いといえそうです。

1歳児は自分の力で歩き始める時期であり、好奇心が旺盛です。この育ち始めた興味や関心は、「しつけ」という形で制限してしまうと、自ら行動する意欲が失われてしまいます。

また、かんしゃくや泣き叫びといった反応もワガママではありません。やりたいことが身体能力や経験の不足でうまくできない、伝わらないという原因によるものです。これを大人が受け入れないと、子どもは大人を信頼するようになりません。

結果として身近な大人は子どもと信頼関係を築くことができないので、「しつけ」を試みてもうまくいかないという状況に直面するでしょう。

つまり1歳児の段階では、身近な大人は子どもの自発行動を助け信頼を得た上で、「しつけ」ができる関係性を構築することが重要なのです。それでは1歳児の「しつけ」について食事の例を見てみましょう。

食事のしつけ

食事をする子ども
1歳児では離乳食をはじめます。当初は身近な大人に食べさせてもらう場合がほとんどですが、次第につかみ食べを覚え、そして道具の使用に移行します。

この過程における「つかみ食べ」は手から直接食べるという行為なので、大人からすると行儀が悪いと感じるかもしれません。

しかし、1歳児にとっては食材の感触や大きさなどを把握するために必要な食事の発達過程です。そのため、食べ物をつかんだ手で衣服や周囲を汚してしまっても「しつけ」だからといって叱る必要はありません。

むしろ嫌な思いをすると、その時に食べていたものを嫌いになるということもあります。大人は食べる方法ではなく、自分で食べようとする気持ちを優先するようにしたいものです。

また食べ物の好き嫌いについても個人差の大きい時期です。これについても、食べやすくする工夫をする、できるだけ幅広い食材を与えるなど、子どもの味覚が偏らないように大人が取り組みます。

また、家族がそろって楽しく食べることも子どもの食べる意欲を促進します。この時に食事のしつけを意識するのであれば、大人が手本となる姿で食事をとることです。子どもは大人のまねをして学びますから、まずは目指す方向を子どもに示しましょう。

このように1歳児の食事の「しつけ」では、食への興味を引き出すことを優先します。食べられないことや汚すことを叱ってしまうと、子どもは食べることへの興味を失うかもしれず、その後「しつけ」をしていくことも難しくなるのです。

受け入れると甘やかす

泣く赤ちゃん
ここまで1歳児のしつけというのは、興味関心を育み自発的な行動を促しつつ、身近な大人との信頼関係を築く段階であると紹介してきました。

これは大人にとって当たり前のことが、1歳児にとっては初めてであることがほとんどであるためです。できないことが当然ですから、そうしたことを怒る、叱るという必要はないのです。

しかし注意をしたい点はあります。それは受け入れることと甘やかすことは違うという点です。子どもは要求の表現として、泣く、わめく、かんしゃくというパターンを繰り返すことがあります。

こうした行為を繰り返すことが大人の注意を引く方法と学習してしまうと、注意をされても泣き通しやわめき通しで大人の気を引こうとするようになります。

それでは泣きわめきなどは、どのように対応したらよいのでしょうか。まずは感情の興奮を静めるように落ち着かせてあげます。それから何が欲しいのか、どうしたいのか、ということを言葉で代弁してあげて気持ちを受け止めます。

欲求が迷惑な行為などであれば、なぜいけないのかということを教えてあげるようにしましょう。

大人であっても突然の注意を受けるよりは、自分の状況を理解してもらった上で諭される方が受け入れやすいということがありますよね。相手との信頼関係も損なわずに済むかもしれません。

同じように1歳児と向き合う場合にも、受け入れることから安心感や信頼感を与えた上で欲求の代弁や注意をすることが大事です。初めてのことがほとんどですから、この繰り返しを根気よく重ねることが次の段階での「しつけ」にも効果を発揮するように心得ましょう。

まとめ

1歳児の「しつけ」について紹介しました。しっかり育てなければと思うと、厳しい「しつけ」が必要だと思うかもしれません。

しかし1歳児の段階では子どもの興味や関心を尊重し、信頼関係をしっかりと築くことこそが重要です。

泣く、かんしゃくを起こすなどの場合にも、まずは受け入れましょう。その上で欲求を代弁する、注意をする、そうすることで「しつけ」は効果的に進められることを覚えておいてくださいね。

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