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企業内保育所の事業者が受けられる税制優遇をご存知ですか。認可ありの事業所内保育、認可なしの企業主導型保育のどちらも設営に関する助成を受けられる事業ですが、税制面においても優遇を受けられます。

保育園不足による待機児童解消が急務である一方で、多額の資金がかかる保育所の設立は企業にとっても高いハードルです。そこで保育所を経営する際に必ず発生する固定資産税などの諸税を、免除もしくは減免するのが企業所内保育所の税制優遇です。

今回はこの企業内保育所の税制優遇について、どのような課税項目でどのくらいの優遇措置が取られているのか徹底解説します。

税制優遇とは

税制優遇とは、一定の条件を満たす場合に税金の免除や引き下げといった措置が取られることです。企業内保育の事業者は事業形態によって異なる優遇措置が設定されています。

認可有の事業所内保育事業については諸税に優遇制度があります。企業主導型保育の場合には、平成29年4月1日より平成31年3月31日までに助成を受けた、つまり事業者と認められたものに限り税制優遇が適用されます。

こうした税制優遇の背景となっているのは、政府が推進する待機児童ゼロの取り組みへの企業の保育事業参入の促進です。新規参入企業の負担を軽減することで、保育所の充実を図る狙いがあります。

税制優遇の主な項目(基本編)

ブランコ

企業内保育所の種類によって受けられる税制優遇は異なりますが、まずは保育所を設立した場合に対象となりうる課税項目について知っておきましょう。

  • 固定資産税:土地、家屋、償却資産などの固定資産に課税される地方税。園の建物だけではなく、園児が遊ぶ遊具や教室に置く家具類なども固定資産の対象になります。
  • 都市計画税:都市計画区域(市町村が定める)における道路や下水道などの建設整備費用に充てられる地方税。保育所の施設が都市計画区域内にある場合に課せられます。
  • 事業所税:人口30万人以上の都市における一定規模以上の事業所に課される地方税。特に人口対比で保育所が不足する都市圏に保育所を設置する場合には念頭に入れておく必要があります。

こうした諸税は園児の充足率等、経営状況にかかわらず毎年支払わなければなりません。そこで事業者の負担を少しでも軽減する優遇措置は、課税標準という税金を計算する際の算定基準となる金額を割り引くものです。この課税標準は対象ごとに課税される割合が定められています。対象によっては標準がありながらも、地方自治体などが幅を持って設定できる場合もあります。

税制優遇の範囲(事業所内保育事業編)

それでは企業内保育のうち、事業所内保育事業者が受けられる税制優遇について確認してみましょう。以下の項目で優遇が受けられます。

  • 固定資産税:課税標準は価格の1/2。ただし1/3~2/3の範囲内であれば、市区町村が条例で定める割合の課税とする。
  • 都市計画税:固定資産税に同じ
  • 事業所税:非課税
  • 不動産取得税:固定資産税に同じ

認可ありの事業所内保育事業では優遇もしくは非課税になる項目も多くなっています。また、現在のところ優遇措置の期限などは設けられていません。

税制優遇の範囲(企業主導型保育編)

一方の企業主導型保育はどのような税制優遇が受けられるのでしょうか。優遇対象となる課税項目は以下の通りです。

  • 固定資産税:課税標準は価格の1/2。ただし1/3~2/3の範囲内であれば、市区町村が条例で定める割合の課税とする。
  • 都市計画税:固定資産税に同じ
  • 事業所税:課税標準は価格の1/4
  • 関税:給食用脱脂粉乳は非課税

認可なしの企業主導型保育であっても、これだけの税制優遇が受けられます。一般の事業者であるならば、これらの優遇措置が経営上での負担減に大きく貢献することは明らかでしょう。ただし、特定期間中に企業主導型保育事業者として認められた必要があり、これらの優遇措置は5年の時限措置であることに注意しましょう。

その他の優遇

企業主導型保育事業者が受けられる優遇は他にもあります。割増償却は直接的に課税が免除もしくは割り引かれるわけではありませんが、固定資産の減価償却費率を高めることで費用化を早めることが可能です。結果的に課税対象となる利益を減らして、税額を減らすことになります。

まとめ

ブランコ

企業内保育の事業者が受けられる税制優遇について解説しました。慢性的な保育所不足による待機児童解消を目的とした保育所の新規開設を支援する施策のひとつである税制優遇。固定資産税や事業所税の実質的な減免は、保育所設営において資金面に不安を抱える企業にとっては朗報です。

税制優遇の内容については、企業内保育所の認可あり/なしによって変わってきますが、いずれにせよ本来であれば全額課税の対象となるべき項目が割り引かれるので、負担を軽減できることに違いはありません。条件に該当する保育施設の設立や運営をしているもしくは検討している事業者は、税制優遇も考慮に入れて経営計画を立てると良いでしょう。

ただし、税制の細かいルールを自社で確認するのは不安に感じるという場合には、企業内保育所の設営にノウハウのある専門の業者に相談することをオススメします。

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