積み木で遊ぶ子ども

企業主導型保育を検討する事業者が最初にすべきことは設置基準の確認です。

子育て世代の人材流出を懸念する企業では、自社事業に合わせた保育サービスを提供できる企業主導型保育の導入を検討しているかもしれません。しかし本業が全くの異業種であれば何から手を付けていいのか迷うこともあるでしょう。

そこでまず確認したいのが、企業主導型保育の事業主としての条件と保育所の設置基準です。この基準を満たせば認可施設並みの補助金も出る制度となっているので、事業の見通しも立ちやすくなります。

そこで今回は企業主導型保育の設置基準について、職員の配置や設備の設置基準まで徹底解説します。

企業主導型保育の設置基準

企業主導型保育は一般事業主が保育事業主となって運営する保育施設です。認可外の保育施設であり、企業の実態に見合った自由度の高い保育が可能です。ただし認可並みの補助金が受けられることもあり、設置基準を満たす必要はあります。基準や要件は公益財団法人「児童育成協会」が審査を行い、事業主として認められた場合に助成が受けられます。

事業の類型

企業主導型保育事業を実施することが出来るのは以下の3つのカテゴリーに当てはまる場合です。ただしいずれの場合も大前提として「子ども・子育て拠出金を負担している事業者」であることが求められます。

一般事業主による保育事業

自らの事業所内に保育施設を設置、保育事業主として施設を運営する場合。複数企業が共同設置することや共同利用契約を結ぶ場合にもこれに当てはまります。

認可外保育施設の利用

保育事業の実施者が設置した(助成によって新たに設置する場合も含む)、認可外保育施設を事業主が利用する場合。事業実施者は企業主導型保育の整備費および運営費の助成対象になります。

事業所内保育施設の利用

他社の事業所内保育施設の空き定員を、設置者以外の事業主が利用する場合。既存の事業所内保育を活用するため、保育施設を主体的に始めるには不安がある場合にも企業主導型保育事業者になれます。

条件

ただし上記のいずれも、特定の実施主体や公的助成を受けていない認可外保育施設でなければ助成の対象にはなりません。また過去5年間において保育施設の閉鎖や助成の取り消しを受けていないことも条件です。

職員配置基準

本棚

保育施設は認可のあるなしに関わらず、それぞれに設置の基準が設けられています。まずは企業主導型保育の職員配置の基準について見てみましょう。

職員の数

企業主導型保育の場合の職員に関する基準は小規模保育事業に準じます。具体的には定員20人以上の保育所の配置基準に1名以上を加えた、最低2名の配置が義務づけられています。具体的な数字は以下の通りです(職員数:児童数)。

  • 0歳児(1:3)
  • 0・2歳児(1:6)
  • 3歳児(1:20)
  • 4・5歳児(1:30)

特に注意をしたいのは2歳未満の子どもを預かる場合です。子どもの数に対して求められる職員の数が多いので、従事者獲得に向けた算段が必要でしょう。

職員の資格

保育士資格の保持者の割合は50%を超えていなければなりません。保健師または看護師(准看護師含む)はみなし特例があるため1名までを保育従事者として扱うことが可能です。保育士は75%や100%など割合が増えるごとに補助金の単価が増える仕組みとなっています。

その他の従事者

職員の残りの50%は保育資格が必ずしも必要ではありません。これは認可の保育施設に比べると高い比率ですが、保育資格者以外の従事者は子育て支援員研修や市区町村および公募団体による研修の受講が必要です。その他の従事者は研修の修了予定者を含めてもよいこととなっています。

設備などの基準

次に設備の基準について見てみましょう。子どもを預かるという点においては認可施設と変わらないため、相応の設備が求められます。確認してみましょう。

設備基準

認可の事業所内保育事業と同等の設備基準を求められます。0~1歳児については乳児室またはほふく室として一人当たり3.3㎡以上、2歳児以上には保育室が一人当たり1.98㎡、屋外遊技場が一人当たり3.3㎡以上必要です。ただし設置の場所によって屋外の遊技場確保が難しい場合など特例が適用される場合もあります。

ほかに遵守するべき基準

設備基準のほかには、厚生労働省が定める「認可外保育施設指導監督基準」に従う必要があります。これは給食や健康管理、安全の確保といった項目が定められています。

児童福祉法の規制

さらに児童福祉法に定められる認可外保育施設としての規制の対象にもなります。この法律に基づいて認可外保育施設には都道府県知事への届出義務があります。また報告や立ち入り調査について要請があった場合にはこれに応じなければなりません。

まとめ

クイズに正解

企業主導型保育の設置基準について解説しました。企業主導型保育は3類型があり、既存の保育施設へ預け入れる場合も該当しますが、特に新設で保育所を設置する場合は基準の確認は必須です。

まず事業主として子ども・子育て拠出金を負担していることは大前提です。そして保育施設を運営する場合には、企業主導型保育の設置基準に見合った職員や設備が求められます。またこうした要件に加えて、認可外保育施設として厚生労働省が定める基準や児童福祉法は遵守しなければなりません。こうした基準や規則を守ることが、補助金というコスト面でのサポートを受けるための条件です。

企業主導型保育の施設も子どもを預かるという重大な責任を負う施設ですから、開設した基準や規則は経験則に基づいた必要最低限の要件でもあります。事業を始める前に把握に努めて、分からない部分については専門家に尋ねることをおすすめします。

企業主導型保育・企業内保育についてもっと詳しく知りたい方は、こちらにお問い合わせください。

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